8月 23

すんごいアルバム

ひとりごと 2009年8月23日 1:39 AM すんごいアルバム はコメントを受け付けていません

最近、なんだかんだと音楽に対する情熱がよみがえってきている。

現役時代は結局、「自分」「僕」という主語で歌う時の気恥ずかしさというか、「なんぼのもんやねん、お前が」という自問みたいなもの(実際に関係者からはそういうものをいつも突きつけられて消耗していた訳だけれど)に苛まれていた。

その辺りがだいぶここに来てこなれてきた、という感じだろうか。

CM音楽は新しいことをやればよいというものではなく、あるいはあまりにも際立った個性みたいなのも時としては邪魔になる世界だと思う(それが商品についての印象やイメージを良い方向で強く与える場合はもっちろんその限りじゃないけど)。

そういう意味では「俺様!」みたいな個性はないけど、自分の中で音楽を大切に暖めてそっとそこに置く、タイプの自分にとっては、「存在してよし」と言ってもらえている場所だ。すごくそれがうれしい。

さらに、ここにきてまた新しいフィールドで自分の音楽の居場所を見つける状況になってきた。自分の活かし方が分かってきた。

自分の中でのコンセプトみたいなものをやっと、ほんとにやっと見つけられてきた感じである。

こうなるともっともっと色んなことを吸収して、そこに肉付けしていかなあかん、という向上心がメラメラと燃えてくる。

そんな中ですんごいアルバムと出会いますた。


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EPO
スリーディーシステム (2009-07-08)
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ヒーリングミュージック、ワールドミュージックなんて言葉やカテゴリを超越してしまってるのがすごい。軽く宗教的境地に達しているがEPOさんがなぜ音楽をやるのか、それが他の人にどういう影響を与えるものなのかを突き詰めた時に当然の帰結だったのかもしれない。

いくつか印象に残ったのは、
・宗教的境地とはいえ、普通のリスナーを置いてきぼりには決してしていない絶妙の距離感
・その辺りをディレクションしている人(本人かもしれないけど)
・ボーカルの倍音の豊かさ
・気持ちが弱ってる時にびんびん刺さってくる歌詞
・choro club笹子さんのギター
・どうやったらこういう立体感のある音が作れるのかというレコーディングエンジニアリング、ミックスの素晴らしさ
・どんなテンションでレコーディングしてんだろう?
・44.1khzにダウンコンバートされてない生ミックスをスタジオのラージスピーカーで聴いてみたい!5.1chとかでレコーディングしたのを聴いてみたい!

本来は僕は宗教的な感じのはうさんくささが先にきて大嫌いなのだけれど、このアルバムの前ではもう自然と涙がこぼれてしまう。
夜寝る前に毎日聴いてるけど、必ずわーっと持ってかれる感じに見舞われる。

また、笹子さんとEPOさんの化学反応はほんとすごいと思う。
笹子さんは本来ブラジリアンギターに特化した人なのだと思うのだが、EPOさんと作ってる世界はもはやそういう域を超えて、新しい音楽になっている。お互いの引き出し方、それに対する惜しみない提示があるが故だろう。

音楽をやっていく上で、一つの大きな軸になってくれるアルバムだろう。

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